園からのお知らせ

2021.01.07

2021年1月発出「緊急事態宣言」への対応方針について(保護者向け)

「ののはな」在園児および2021年度新入園児の保護者の皆さま

 

報道によれば、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、本日1月7日付けで首都圏1都3県に「緊急事態宣言」が発出されることになりました。

今回の緊急事態宣言は1ヶ月間の予定ですが、効果に乏しく感染拡大がとめられないとの指摘もあり、「ののはな」では、今後、同宣言の期間延長の可能性や行政による行動制限などの厳格化もありうると考えています。

ついては、3学期の保育について、基本的考え方と対応の方針を検討しました。

保護者の皆さまのご意見も伺いながら具体的対応に当たっていきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。

■基本的な考え方

新型コロナウイルス感染症への対応は長期的なものになると考えられます。今回の緊急事態宣言での感染拡大抑止効果は限定的と考えられることから、今後、同宣言の期間延長や、より強い行動制限などが示される可能性もあります。

昨年の同宣言の際には行政の要請もあったことから、「ののはな」も約2ヶ月間休園としました。今回も基本的には行政の要請や方針には耳を傾けますが、この1年間の感染症対策において蓄積されてきた専門的知見や、「ののはな」としての経験に基づき、かならずしも横並びで対応する必要はないと判断するケースもあると考えています。

感染リスクを可能な限り低減しつつ、野外保育中心という「森のようちえん」の強みを最大限にいかして、可能な限り子どもたちの育ちの場を確保するように努めたいと考えます。

一方、感染拡大状況からすると、「ののはな」関係者(園児、保護者、保育者、およびその家族)に感染者が発生することは、想定内と考えておく必要もあります。「ののはな」として、それらの事態にも淡々と対応できる手順の整理をするとともに、心の準備を関係者の方にもお願いします。

また、卒園式、入園式のシーズンでもあることから、それらについては会場確保に複数の候補を用意(屋外、広めの公共屋内施設を含む)しておくなどして対応します。

■室内スペースの施設改善と室内活動時の対応

すでに2台の空気清浄機を設置していましたが、このうち1台を低濃度オゾンによって付着・浮遊ウイルスを除菌できる清浄機(約20畳の部屋を1時間で99%以上除菌)に入れ替えました。また、熱交換形の換気扇(常時作動)を1台設置しました。これによって、空気清浄機は2台ともウイルス対応の性能を持つものとなり、室内の換気についても一定程度改善されることになりました。

室内活動時は基本的に保育者、子どもともにマスク着用ですが、文部科学省の「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」でも、幼児の場合にはマスク着用によって息苦しくないかどうかを確認するとともに、持続的なマスクの着用が難しい場合は無理して着用させる必要はない、とされていますので、そのように対応します。

■野外活動時の対応

これまでどおり、公園の遊具などで遊んだ場合や、お弁当の前にはアルコールによる手指の消毒をおこないます。

登園時は保育者とお子さんはマスク着用を基本としますが、里山に入って運動量がます場合や一定の距離が保てる場合には、保育者とお子さんともに、マスクは外します。

■保護者の方へのお願い

・登園前の体温測定は必ず実施するようにお願いします。

・登降園の送り迎えについては、野外であり、基本的には特別の対応は必要ないと考えていますが、保護者同士が密接とならないようにご配慮をお願いします。

・また、小さな集団ではありますが、特定の場所に集まっていることに対する周囲の反応も考えられます。必要以上に登園、降園の場にとどまらないなどメリハリをつけた対応をお願いします。

・ご家族で新型コロナウイルス感染症の発症が疑われる、あるいは感染が確認された場合には、ご連絡をお願いします。

■ご家庭での過ごし方について

・メディアは、数字やさまざまな意見を流すことに終始しており、いささか過度に不安や恐怖、そして特定の存在に対する怒りを煽る傾向にあります。このような社会不安は少なからず「子どもの心」にも影響を与えています。

あふれかえる情報は一定程度遮断するとともに、目と目を合わせてじっくりと会話をし、お子さんがどんな気持ちでいるか、いつもと違った言動がないかを感じられる大人の側の余裕やストレスマネジメントも欲しいところです。

社会の変化の中でも、子どもたちが自分が愛されていることをしっかりと感じ、安心して毎日を過ごすことができるように、「ののはな」とご家庭で協力ができればと考えております。

■最後に

あくまでも素人としての意見になりますが、感染拡大の収束は少なくとも気温が高くなるまで待つ必要があるでしょう。繰り返しになりますが対応は長期的になるという覚悟を持っています。

不幸中の幸いは小児の感染率が低く重篤化の例が少ないことです。新型コロナウイルス感染症のウイルスが人体に感染する際には人の細胞の表面にある特定のタンパク質とウイルスが結合し、融合する必要がありますが、小児は成人に比べて、このタンパク質の発現が少なく、このことが感染しにくさに影響していることが分かっています。

それでも「ののはな」も集団として集まるために、感染やクラスターの発生しやすいリスクのある場であることに変わりはありません。

私たちは今、未知のものに対する大きな社会実験のさなかにあります。当然、失敗や紆余曲折もあるでしょう。その中で、新型コロナウイルス感染症を正しく怖れて合理的な判断と対応をし、子どもの育ちの場を守ることを優先したいと考えております。

ついては、このような「ののはな」の方針や保育のあり方についてご意見をいただくとともに、ご協力をお願いする次第です。

2021年1月7日

「ののはな」
代表 清水 研